車やバイクの部品を缶スプレーで塗装する方法【自家塗装】
市販の缶スプレーを使って車やバイクの部品を塗装するときの手順を紹介します。
小さい物の塗装をおすすめします
慣れていない人は特にDIYで作業する場合は小さい物の塗装から始めることをおすすめします。
缶スプレーだと車のバンパーやボンネットのように大きい物を塗るのにはあまり向いていません。
時間がかかる上に1回で塗れる範囲も狭いので後から見るとムラが出来ていたり一部分だけ色が薄かったりしやすいです。
今回は練習として小さい物の塗装をやってみました。
練習台として色が劣化してきたボンネットのダクトを取り外して塗装します。
塗装前の準備
塗装するにあたって必要なものを紹介します。
- 耐水ペーパー
- シリコンオフ
- プラサフ
- カラースプレー
- クリア(ウレタンクリア)
無くても良いが塗った方が仕上がりが綺麗 - コンパウンド
綺麗に塗れていれば無くても良い
塗装前の下地処理
耐水ペーパーで塗装表面の足付け
耐水ペーパーを使って塗装表面を足付けします。
元々の塗装を全て剥がすところまで研く必要はないですが、全体に傷がついて艶が無くなるくらいまでは研きました。
研いたことによって所々塗装が剥がれてしまっている箇所がありますが、気にしなくても良いです。
ちなみに写真の部品は400番の耐水ペーパーで磨いています。
深い傷がある場合はパテで埋める
耐水ペーパーで研いても平らにならないような傷がある場合はパテを使って補修する必要があります。
気にならないレベルならそのまま塗装してしまっても良いと思いますが。
今回はパテで補修する必要が無かったので作業していませんが、もし使う場合は以下のような手順でやってみてください。
- 補修する所の表面をシリコンオフで脱脂する
- 厚づけパテを盛る
- パテが完全に乾燥するのを待つ
- 400番くらいのペーパーで余分なところを削り平らにする
塗装前に周りを養生する
塗装前に地面や周りの物に塗料がついてしまわないように養生します。
使わないダンボールや新聞紙など、何を使っても良いと思います。
思っている以上に風などで塗料が広範囲に飛んでしまうので周りの物を汚してしまわないように広範囲を養生しておくことをお勧めします。
塗装前に脱脂をする
塗装面に見えないような油分があるとその部分が塗装の邪魔をして塗装が剝がれやすくなったりするので念入りに行います。
カウル全体にシリコンオフのスプレーをかけて綺麗な布や雑巾を使って念入りに拭き取ります。
プラサフを塗装する
プラサフを塗装しました。
一気に塗るのではなく薄く少しずつ4回くらいに分けて塗ります。
プラサフは普通の塗料と違って30分から1時間くらいで乾燥するので余程失敗しなければすぐに作業は終わると思います。
プラサフを塗らずにカラー塗装することも不可能ではないですが、カラー塗装をより密着させて剥がれにくくする役割も持っているので塗っておいた方が良いです。
もし塗料がタレてしまったら
完全に乾燥した後に耐水ペーパーで研いて平らにしてから再度プラサフを塗ります。
乾くのが早いのでやり直しにあまり時間がかかりません。
塗装後にゴミや虫などが付着してしまった場合でも同じ方法が有効です。
カラー塗装をする
塗る前に脱脂をする
プラサフを塗る前と同様にシリコンオフを使って塗装表面を脱脂します。
カラー塗装前なのでしっかりやっておきましょう。
本塗りをする
ここまでやってやっとカラー塗装に入れます。
プラサフと同様に塗料がタレないように4~5回に分けて塗っていきます。
一気に塗らずに1回目は色がついたかついてないか分からない位で止めて10~15分ほど置いておきます。
同じように2~3回まで薄く少しずつ全体に塗っていきます。
4~5回目になってくると塗料がだいぶ定着してくるので少し多めにタレない程度に塗っていきます。
言葉にすると簡単ですが、実際に何回かやって感覚を身につけるしかないと思います。
塗り残しがないかどうか確認する
作業する時は明るい時間帯がオススメです。
色々な角度から眺めてみて色が薄い箇所がないかどうかしっかり確認してください。
今までに完成後に一部だけ色がついていないとか薄いといったことが何回かありました。
もし塗料がタレてしまったら
もしタレてしまったら無理にリカバリーしようとせずに乾くまで待ちましょう。
耐水ペーパーで研いてタレてしまった部分を削って平らにします。
失敗すると時間がかかって少し面倒ですが、焦らずにゆっくり作業すればやり直すことが出来ます。
ウレタンクリアを塗る
カラー塗装が終わったらクリアを塗ると表面がツヤツヤして綺麗です。
アクリルクリアでも良いのですが、ウレタンクリアの方が耐久性・質感ともにレベルが違うのでウレタンクリアをおススメします。
この写真のように反射するくらい艶が出せると上出来です。
ウレタンクリアを塗るタイミングは?
ソフト99かホルツによって塗るタイミングが異なります。
ウレタンクリアを塗るタイミングですが、ソフト99のウレタンクリアの説明にて本塗装した直後に塗るように書かれていました。
ホルツのウレタンクリアの場合、完全に乾燥した後に塗るように書かれているので本塗装とウレタンクリアのメーカーは揃えた方が良いと思われます。
ウレタンクリアの塗装手順
失敗するとやり直すのが大変なのでそこそこのクオリティで良いと思う人は塗るのをやめるか、アクリルクリアで仕上げても良いと思います。
開封後は12時間以内に使い切らなければならない上に値段も1本2000円以上するので失敗した時のリスクが大きいです。
使い方の手順は以下の通りです。
- 金属ピンを押し込みスプレー缶を裏返しにして5~10分放置する
ピンを押すと主剤と硬化剤が混ざるようになっている - ピンを押し込んだ後は12時間以内に1回で使い切る必要がある為他にも塗りたい物があれば塗った方がお得
- 乾くのにかなり時間がかかる為垂れないように3~4回に分けて塗る
- 垂れる寸前まで厚塗りすることでツヤツヤに仕上がりますが、失敗するとやり直すのが大変なのであまり欲張らない方が無難
1時間半くらい経つと触っても手につかなくなりますが、完全に硬化していないので爪を立てたりぶつけたりすると簡単に凹んでしまいます。
メーカー推奨の方法ではないですが、12時間以上経った後に使う方法もあります。
自己責任でやってみたい方はどうぞ。
乾いたらコンパウンドで磨く
ウレタンクリアは塗膜内部が完全硬化するまで1週間くらいかかると言われています。
磨く場合はそれより後にした方が無難です。
基本的にウレタンクリアを塗った時点で綺麗に艶を出せていれば磨く必要はないと思います。
もっとツヤツヤにしたい場合はやってみてください。
コンパウンドは3種類がセットになった物が売られているので低い番手から順番に磨いていけば綺麗になります。
まとめ
- 一度も塗装したことがない人は小さい物で練習をおすすめします。
- お店でやってもらうのと同じクオリティを出そうと思うとなかなか難しい。
- お金を払って塗ってもらう価値があることが分かる。
- 塗料や道具を揃えると意外とお金がかかる。
- 少しくらい失敗しても良いと言う気持ちでやる。
- 雨の日や風の強い日は避けるか屋内で塗装する。