初めてサーキットの走行会に参加する前に必要なこと
気軽に走行会に参加してみよう
サーキットと聞くと敷居が高そうなイメージですが、走行会の場合はそうではありません。
テレビ等でサーキットを走っている映像を見て一度は走ってみたいと思った方もいると思います。
実はサーキットを走るのは誰でも可能だったりします。
- ライセンスが不要
- ノーマル車でも問題ない
車高調つけてないから~とかタイヤ変えてないし~とか言う人が居ますが、ノーマル車でも参加して良いと思います。
ミニバンとかコンパクトカーで走っている人も居るくらいですから速さを求めずに楽しむ感じで走ってみてほしいです。
もちろんサーキットのルールがあるのでそれらは必ず守らなければなりません。
ライセンスが不要
サーキットを走るのにライセンスは不要です。
ライセンスはレースに出場する時などに使う物なので走行会では必要がありません。
とりあえず参加してみて興味が出てきたらライセンスを取ってみても良いかもしれませんね。
ちなみに私はライセンスを持っていません。
ノーマル車で参加しても良い
むしろ初心者の場合はタイヤとかサスペンションとかを入れる前にノーマルで走ると動きの勉強になると思います。
慣れてきたら少しずつ走りやすくしていく為にカスタムしていくのも楽しいですよ。
私の場合、初めてサーキットを走った時はノーマルサスペンションに中古で買った街乗り用のタイヤで参加しました。
こんなノーマル仕様でもタイヤのスキール音を鳴らしながら走ってタイヤが溶けていたことに感動したのを覚えています。
ノーマルだからと言って何も整備せずに走りに行くのは危険なので、最低限ブレーキパッド・タイヤの残量、オイル交換、その他走行に支障のある故障が無いかどうかを確認した上で走りましょう。
サーキットに行く前に必要な物
サーキットは手ぶらで行っても参加することはできません。
最低限必要な物を紹介します。
服装
服装といってもこれといって特別な物は必要ありません。
もちろんレースに出る人が使うような専用品もあるので安全の為にそちらを使うというのでも良いと思います。
ヘルメット
私の場合は普段からバイクに乗っているのでそれを使いました。
持っていない場合はSG規格、JIS規格といった安全規格に合格しているものを買ってください。
ホームセンターやドン・キホーテなどで5000円くらいで売っている物でも規格に合格しているものが売っています。
サーキットによってはレンタルしている所もあるのでそちらを使ってみても良いと思います。
グローブ
これもバイクで普段使っている物を使いました。
持っていない場合は滑りにくそうな素材のグローブを用意してください。
手汗をかいた時など、ハンドル操作中に手が滑ってしまうと思わぬ事故に繋がるのでグローブはとても大事です。
靴
靴は普段履いているスニーカー等、運転に支障がなさそうな物ならどんな物でも大丈夫です。
サンダルなどの脱げやすいものはNGです。
長袖長ズボン
これも運転に支障が無ければ普段着ている物で大丈夫です。
暑くても半袖半ズボンでは参加できません。
工具など
あくまでも最低限必要な物です。
無ければ一緒に行った友達等に借りても良いと思います。
レンチ
走行前にホイールナットが緩んでいないかどうかを確認する為に使います。
サーキット走行は思っている以上に車に負担がかかるので確認する必要があります。
十字レンチや車載工具のレンチでも良いと思いますが、トルクレンチがあると安心できます。
エアゲージ
走行前にタイヤの空気圧を確認する為に使います。
確認の他にタイヤの空気を抜く機能もあります。
また、スポーツ走行をするとタイヤの摩擦熱でタイヤ内の空気が膨張して空気圧が上がってしまいます。
私の場合は空気圧が上がることを想定して少し空気を抜いて、空気圧を低めにして走り出すようにしています。
走行中にピットに入ることができるのでこまめに空気圧をチェックすることが大切です。
空気を抜いた場合はタイヤが冷えると元の空気圧に戻るので帰る前に空気を補充してから帰ってください。
サーキットで空気を入れることが出来ると思います。
テープ
走行中にクラッシュしてしまった場合、ヘッドライトの破片がコース内に飛び散ってしまうのを防ぐ為に使います。
ガラスにバツ印で貼ったり一面に貼ったりします。
テープは跡が残りにくいので養生テープが理想です。
ジャッキ
絶対必要かと言われればそうではありませんが、サーキットでタイヤを履き替える場合や、走行中にバーストしてしまった場合等に使えるのであると便利です。
純正で付属しているパンタグラフジャッキでも良いですが、小型の油圧フロアジャッキなんかも売っているので検討してみてください。
↓持ち運びに便利なフロアジャッキについてもまとめているので良ければご覧ください。
最低限必要な整備
最低限メンテナンスしていれば走行できます。
走行中に故障して周りに迷惑をかけることのないようにしたいですね。
オイル交換
常に高回転を多用するので古いオイルのままだとエンジンを痛めてしまうかもしれません。
いきなり高いオイルを入れろとは言いませんが、少し良いオイルに交換してから行くと安心できます。
私の場合は比較的安いTAKUMIオイルを使っています。
ブレーキ関係
スピードを出した状態でフルブレーキングするのでかなり重要な部品です。
ブレーキパッドの残量がしっかり残っているか確認。
出来れば耐熱温度の高いスポーツ向けのパッドに交換するのが望ましいです。
純正パッドだとフェードしだすのが300~350℃なのに対してスポーツパッドは400~700℃となっています。(銘柄やグレードにもよりますが)
ブレーキフルードも一度も交換したことが無いという人は交換してから走ることをおすすめします。
タイヤ
タイヤはスタッドレスとかでなければ何でも良いと思いますが、溝がしっかり残っているか確認してください。
サーキットだと30分から1時間走っただけでも想像以上に溝が減ります。
その他
オイル漏れとかブーツが破れているとか整備しなければならない箇所がある状態で走ると走行中に周りに迷惑をかけることになるので万全の状態で走るようにしてください
初めはミニサーキットがおすすめ
いきなりF1とかスーパーGTが走っているようなフルサーキットはお金もかかるし速度域も高いので初心者には向いていません。
とりあえず地方にあるミニサーキットで慣れてみるのが良いと思います。
ミニサーキットとは
1周1000m程度の小さなサーキットのことで、2速3速をメインで使うような速度域なのでフルサーキットと比べると比較的安全です。
全国に50か所くらいあるので意外と家の近所にもあるかもしれませんよ。
私の場合は関西に住んでいるので「鈴鹿ツインサーキット」「モーターランド鈴鹿」「鈴鹿サーキット南コース」「美浜サーキット」などに行きます。
場所にもよりますが、だいたい1回の走行枠が20分から30分くらいあって4000円から5000円くらいで走れるのでリーズナブルです。
複数枠走る場合は少し安くなったりする場合もあります。
行く前に確認すること
いつでも走れる訳ではなく、イベントで貸し切りだったりバイク用の走行枠、ドリフト用の走行枠などの日があるので事前に確認が必要です。
ミニサーキットのホームページで行こうと思う日に走れるかどうか確認してください。
場所によっては電話やネットで予約制のところもあります。
走行枠の人数に余裕があれば予約無しで走れることもあります。
サーキットに到着したら
まず初めに走行する人向けの駐車スペースがあると思うのでそこに車を停めましょう。
分からなければ周りの人と同じようにするか受付で聞いてください。
受付をする
受付が混む場合もあるので、走る予定の走行枠が始まる30分前から1時間くらいには到着して受付を済ませておきましょう。
受付で走行料金と保険にお金を払います。
走る時間までに準備する
駐車スペースで不要な荷物を降ろし、ホイールナットの確認と空気圧の確認などをしておきます。
それでも時間が余る場合は、走っている車を見学する等して時間を潰しましょう。
サーキット走行中に気をつけること
車の整備や準備が整ったらいよいよ走ることになるのですが、サーキットでは1回の走行枠でだいたい多くても12~13台くらい同時に走ることがあります。
それぞれ走るペースも様々で、最低限気を付けるべきルールとマナーがあります。
フラッグについて
コース上にはポストと呼ばれるところに人が立っていたりして、コース上に何か異常があった場合にフラッグで知らせてくれます。
フラッグには色々な種類がありますが、走行会では主に「イエローフラッグ・レッドフラッグ・チェッカーフラッグ」がほとんどです。
- イエローフラッグ
先にスピンした車やコースアウトした車がいる場合に出ます。
これが出たときはスピードダウンと追い越し禁止です。 - レッドフラッグ
コース上でクラッシュが起きた場合などに出ます。
その車両を退避させるまで安全に走行できないということを意味します。
これが出たときは徐行運転でピットに戻る必要があります。 - チェッカーフラッグ
走行終了という意味です。
1回の走行枠の制限時間になったときに出ます。
これが出たときはピットに戻る必要があります。
あくまでも簡単にまとめただけなので走行前に調べて覚えておく必要があります。
いきなり飛ばしすぎない
最初からスピードを出すのではなく、少しずつ慣らしてください。
走っているうちに次はこうしてみようというのが出てくると思います。
タイヤも温まっていない状態でコーナリングを攻めると思っている以上に簡単にスピンします。
自分の場合は身体とタイヤを慣らす為に3周から4周くらいはスローペースで走ります。
自分より速い車が来たら譲る
自分より速い車が迫ってきたら無理のない場所で譲りましょう。
サーキットではタイムを出すために一生懸命走っている人も居ます。
速い人のラインを塞がないように避けて先に行ってもらいましょう。
速い人が迫ってくると焦ると思いますが、ウインカーを出すなどして抜いても良いという意思を伝えましょう。
逆に道を譲られるときもあります。
その時は安全を確認して速やかに抜いてしまいましょう。
車に無理をさせない
サーキットで走行を続けていると、水温や油温が上昇して最悪の場合エンジンブローしたり等車を傷めてしまいます。
追加メーターをつけていたり、OBD2などの情報が見れる場合は走りながら確認できますが、確認する手段がない場合は注意が必要です。
私の場合は、初めて走ったときは確認する手段が無かったので2~3周前回全開走行したらしばらくクーリングラップを挟むかピットで休む等をしていました。
クーリングラップとは後ろから来る車に進路を譲りながら低回転でかつブレーキも緩く踏むようにして車に優しい運転を心がけることです。
後日サーキットで異変に少しでも早く気付けるようにする為に追加メーターを導入しました。
必須ではありませんが、あると便利です。
予想以上に疲れる
車だけでなく人間にも負担がかかります。
走っていると汗もかくので疲れたと思ったらピットに戻って少し車と人間を休ませましょう。
走行枠の時間内でずっと走っていなければならないということはありません。
複数の走行枠を走る場合でも、連続で走るのではなく1枠か2枠分見学しながら休憩するというのでも良いと思います。
走行中に事故を起こしてしまったら
公道よりは安全とはいえ、スピードを出して走っている訳なので事故を起こしてしまうこともあり得ます。
他の車両も走っていてコース内は危ないのでサーキットの職員の指示通りに動きましょう。
事故を起こす可能性を少しでも下げる為に体調管理と車の整備をしっかりした上で走行してください。
走行中のクラッシュは自己責任
サーキットでは何もかもが自己責任です。
仮にぶつけられた場合でも基本的に相手に修理費を請求することはできません。
反対に相手の車にぶつけてしまった場合でも弁償する義務はありません。
こういうところが公道とは違いますね。
しかし、当人同士で話し合いの上で決めるというのはあるのかもしれません。
サーキットの備品を壊してしまった場合
サーキットの備品とはガードレール、カラーコーン、看板、アスファルト等、サーキットに置いてあるもの全部のことです。
クラッシュした際に備品を壊したりコース上にオイルを撒いてしまった場合、修繕費を全額請求されます。
ガードレールとかアスファルトの清掃費等、物によっては合計で数十万かかってしまうこともあるようです。
最近はサーキット走行向けの保険があるので必要に応じて加入しておくと安心です。
ちなみに、受付の際に払う保険は人に対する保険なので備品を壊した場合には使えません。
サーキット走行後
サーキット走行後に必要なことを挙げてみます。
- オイル交換
連続で高負荷走行を続けるとオイルの劣化が早くなります。
出来れば走行後か早めに交換推奨 - タイヤ点検
サーキット走行によって減っていれば交換しましょう。
空気圧の点検も忘れずに - ブレーキ点検
ブレーキパッドの残量
ブレーキフルード交換または補充
ただ交換するだけでなく次の課題が見つかったら必要に応じて社外品の高性能な物に交換していくのも楽しいです。
まとめ
- 思っている以上に敷居が低く、ハマる人はハマる。
- ルールとマナーを守れば安全に走行できる。
- 体調と車の調子は整えてから走る。
- 無理は禁物。車と人間に無理をさせないこと。