社外ECUに交換することのメリットとデメリット

2022年6月14日

社外ECUとは

自動車には電子部品(センサー等)をコントロールする為にECU(エンジンコントロールユニットともいう)が搭載されています。

そもそも社外ECUと純正ECUは何が違うのか?

簡単に説明すると、純正ECUは誰がどんな場所で運転しても問題なく走行できるようになっています。
安全マージンが多めにセッティングされているので多少乱暴に扱ったとしても壊れにくく設計されています。

反対に社外ECUは純正ECUの安全マージンを削り性能アップを図るというものです。
この場合の性能アップとは主にパワーアップのことを指します。

社外ECUの種類

  • セッティング済ECU
    吊るしのECUという言い方を聞いたことがあるかもしれませんが、既にセッティングデータが入っていてポン付けするだけのECUのことです。
    売っているECUを買うだけなので安価で簡単ですが、入っているセッティングが自分の車に合うかどうか要確認

  • 書き換えECU
    元々ついている純正ECUを書き換えるというものです。
    純正ECUに既に出来上がったデータを書き換えただけのパターンと現車セッティングをしながら書き換える2パターンがあります。
    現車セッティングをする場合は時間とお金がある程度かかりますが、ECU本体は純正を使いまわすので本体代はかかりません。

  • サブコンピューター
    いわゆるサブコンってやつです。
    その名の通りサブのコンピューターで純正ECUの一部分を補正する為のコンピューターです。
    純正の配線に割り込ませるだけで燃調や点火時期の調整ができます。
    セッティングは個人でやっている方も居ますが、ショップでやってもらう方が安全。
    この中では一番簡単で安価です。

  • フルコンピューター
    有名所だとパワーFCとかF-CON Vプロ等があり、いわゆるフルコンってやつです。
    純正ECUよりも高性能なECUで、より細かなセッティングが可能となります。
    個人でセッティングを取れる人は少ないと思うので基本的にチューニングショップにてセッティングしてもらう場合がほとんどです。
    本体代や現車セッティング代がこの中で一番高いですが、その分違いが感じられやすいです。
    ライトチューンからフルチューンまで対応します。

社外ECUの中でも色々な種類があるので予算やどこまでやりたいかを考えた上で選んでください。

社外ECUのメリット

エンジン性能の向上

セッティングがバッチリ決まるとエンジン性能(主にパワー)がアップします。
特にターボ車の場合は大幅なパワーアップが期待できます。

エアクリーナーやマフラーを社外品に交換している場合は燃調を合わせることでよりパワーアップに繋がります。

乗りやすくなる

セッティングによっては低速トルクが上がって出だしが楽になったり、高回転が気持ちよく回るようになったりと、運転するのが楽しくなる要素があります。

エアクリーナーやマフラーを社外品に交換した場合、純正ECUだと低速がスカスカになったりしますが、それらを改善できる場合もあります。

リミッターが無くなる

リミッターとは主にスピードが180キロ以上出せるようになったり、回転数の上限が上がることです。

大型のサーキットを走る人はスピードリミッターがあると直線で性能を発揮できませんね。

社外ECUのデメリット

お金や時間がかかる

吊るしのECUだけでも安くても6~7万円とかします。
フルコンだと10~20万です。

それに現車セッティングが加わるとショップにもよりますが、追加で5万とか場合によっては10万円以上かかったりします。
セッティングを出すのにもショップや車種にもよりますが数日かかります。

エンジンを壊してしまう可能性

純正ECUの安全マージンを削っているので高回転をメインで使っているとエンジンの寿命を縮めることになります。
街乗りメインで主に低回転でたまにサーキット走るとかなら大丈夫かもしれませんが。

吊るしのECUでマフラーとエアクリーナー交換程度のセッティングならまだそこまで攻めたセッティングにはなっていないと思うのでそこまで心配しなくても良いかもしれません。

チューニングショップでセッティングしてもらう場合はリスクが少ないですが、セッティングを間違うと一発でエンジンブローなんてこともあり得ます。
セッティング中にエンジンを壊してしまうと廃車または修理で思わぬ出費になってしまいます。

燃費の悪化

社外ECUにする人で燃費を気にする人は少ないかもしれませんが、燃費は悪くなる傾向があります。

これはセッティング内容にもよるので一概には言えません。

車の保証が効かなくなる

中古車でECU交換する場合はあまり関係ありませんが、新車に乗っている方でECU交換する場合は保証についてよく調べた方が良いです。

社外ECUにした上で車を壊してしまったら基本的に保証は効かなくなると思っておいた方が良いです。

もしかするとTRDとかニスモ等のメーカー直系のチューニングメーカーなら保証対象とかがあるかもしれません。

吊るしの社外ECUをつけてみました

既にセッティングデータ入りの純正ECUを取り外して入れ替えるだけの社外ECUです。

セッティング内容はエアクリーナーとマフラーが社外品に変えてある車向けです。

今は亡きC-ONEのECU

社外ECUにしたことで変わったこと

  • ブーストアップ
    純正ECUだとブースト圧が0.8くらいだったのに対して1.25くらいまでかかるようになりました。
    エンジンを痛めそうなのでブーストコントローラーで0.8くらいに合わせています。

  • トルクアップ
    中低速でアクセルを踏み直した時の加速感が良くなりました。

  • リミッター解除
    まだ試していませんが、スピードリミッターが解除されているようです。

  • 燃調点火マップの最適化

  • 燃費はそこまで変化なし

以上のような変化がありました。
全体的なパワーよりもバランス重視といった感じで乗りやすいので街乗りでも使っていこうと思います。

まとめ

  • メリットデメリットを理解した上で自分の好みに車を仕上げていく楽しさがある
  • セッティングする場合は知識や経験が豊富なショップにお任せするのが一番
  • 一歩間違うとエンジンを壊してしまう恐ろしさがある

車整備,電装系

Posted by tarou